渋柿の渋そのままの甘さかな〜自然のままと、変わっていくこと〜

日々の暮らし・気づき
整体療術院UP

今朝の毎月の定例坐禅会で、こんなお話をいただきました。

「渋柿の渋そのままの甘さかな」

この言葉を聞いて、私は二つの見方があると感じました。

自然のままにあることの良さ。

そして、渋を抜くことで食べやすくなり、変化していくことの良さです。

どちらか一方が正しいということではなく、どちらにも、それぞれの良さがある。

そんなことを考えているうちに、ふと、自分の仕事にも思いがつながりました。

自然のままの良さと、変わることの良さ

渋柿は、渋を抜くことで甘くなり、食べやすくなります。

人の手を加えることで、新たな良さが生まれるのです。

一方で、渋いままの柿にも、そのままの姿があります。

食べやすいことだけが、柿の価値ではありません。

自然のままにあることにも、手を加えて変化することにも、それぞれの良さがあるのだと思います。

私の仕事に重ねてみる

私は整体を受けてくださる方に、施術後はできるだけ体に触れず、自然なまま過ごしていただくようにお伝えしています。

けれども、私自身は手を使って体に働きかけています。

自然のままが大切だとお伝えしながら、自分は手を加えている。

これは、渋柿の渋抜きと同じなのだろうか。

そんな疑問が浮かびました。

もちろん、体を整えることと柿の渋を抜くことは、同じではありません。

ただ、ここで改めて考えたのは、人が何かに手を加えることそのものが問題なのではなく、どのように関わるかが大切なのではないか、ということです。

体の状態を確認し、必要な働きかけをする。

そして、その後の変化まで、すべてを自分の力でコントロールしようとしない。

そんな関わり方を、これからも大切にしたいと思いました。

よくしようとするあまり、手を加えすぎていないだろうか

このことは、柿や体だけに限らないように思います。

例えば、草花。

きれいに咲かせたい。葉を増やしたい。実をたくさんつけたい。

そんな思いから手を加えることもあるでしょう。

けれども、もっとよくしようと手を加え続けることで、いつの間にか、その草花が本来持っていた姿や良さを見失ってしまうことはないでしょうか。

人との関わり方も同じかもしれません。

相手のためを思って助言したり、手助けしたりする。

それ自体は大切なことです。

しかし、よかれと思って何でも先回りしてしまえば、相手が自分で考えたり、経験したりする機会まで奪ってしまうことがあります。

便利さを追い求める暮らしの中でも、効率を優先するあまり、ゆっくり味わう時間や、何もしない時間を失っていることがあるかもしれません。

よくしようとすることが、いつもよい結果につながるとは限らない。

そんなことも、心に留めておきたいと思います。

白か黒か、それだけではない

こうして考えていると、物事をつい、白か黒かで考えてしまう自分にも気づきます。

渋抜きをするのか、しないのか。

手を加えるのか、加えないのか。

どちらが正しいのか。

けれども、物事はそれほど単純ではないのでしょう。

手を加えることで生まれる良さもあります。

そのままにしておくことで守られる良さもあります。

必要なときには手を加え、必要以上に手を加えない。

今の状態を受け入れながら、変化していくことも認める。

どちらか一方を正解にするのではなく、その間にあるものを見つめてみる。

そうすることで、今まで見えていなかったものに気づけるのかもしれません。

自然のままと、変わっていくこと

以前、「草花のように 〜自然に整うということ〜」という記事を書きました。
https://202507091657fv77e465.conohawing.com/natural-balance-up/

その続編として、自然の営みから体との付き合い方を考えた記事も書いています。「自然の営みから、体との付き合い方を考える」も、あわせてご覧ください。
https://202507091657fv77e465.conohawing.com/nature-and-body/

草花を無理に引っ張ったり、咲かせようとしたりするのではなく、そのものが持つ力を大切にしながら、自然に育つことを見守る。

今回の渋柿のお話も、そこにつながっているように感じます。

整体でも、体全体のバランスを見ながら、やさしく整えることを大切にしています。

手を加えることと、自然に任せること。

一見、反対のように見える二つですが、必ずしも相反するものではないのかもしれません。

大切なのは、何もしないことでも、何でもすることでもなく、今の状態を見て、必要なことを考えること。

そして、変化を急がず、その先を見守ること。

渋柿の渋抜きから始まった小さな問いは、自然との付き合い方や、人との関わり方、そして自分自身の生き方にまで広がりました。

私たちは、物事をよくしようとするあまり、白か黒かで答えを決めたり、必要以上に手を加えたりしていないでしょうか。

自然のままにあることも、変わっていくことも、どちらも大切にしながら。

これからも、目の前にあるものと丁寧に向き合っていきたいと思います。

定例坐禅会
『福聚山 観音寺』
https://sotoshu-kannonji.com/

観行満禅

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